気温はそれほど高くはないが、日差しがあっという間にきつくなってくる。先日から少し気になっていたのだ。耀子は気にしている風ではなかったけれど、色白だからこの紫外線で日焼けするのも辛いだろう。
「ほれ、帽子被れよ」「あんまりきれいじゃないけど」
車の中に放り込みっぱなしになっていて、すっかり色褪せた帽子を耀子の頭に載せてやる。サイズは合わないけれど無いよりはいくらかましだろう。そのまま後から腕を廻して耀子を抱き寄せると、首を廻しながら「ぶかぶかだよぅ、ありがとう」と笑った。

*********************************

頭に帽子を載せてもらった上に、後から隆に抱きすくめられてぽぉっとしてしまう。腕を撫でていた手がいつのまにか半袖の袖口から侵入して、肩にかかっているブラジャーのストラップを引き出されてしまう。えっ、なに? と考える間もなくそのまま引っ張られて肘を通過して腕から抜かれてしまう。反対側も同様に腕を抜かれてしまうと、服の上から器用に背中のホックを摘み上げるようにはずされてしまった。最後に揺するようにして肩口からブラジャーを引っ張り出されてしまう。はずしたブラジャーを二つに折り畳んでポケットにしまうと、最後の仕上げとばかりにスカートのホックをはずして緩めたウエストから手を入れられた。パンティの両側の紐を引っ張って一枚の布にして、いったん落とすようにしてお尻の側から引き上げられると、あっという間に着ながらにして裸にされてしまった。

「やっとお目見えだな。きょうは紐に違いないって思ってたんだ」
「見ちゃダメ」と奪い取ろうとしたけれど直ぐにポケットにしまわれてしまった。
「どうすんのよぅ、こんなとこで」
「耀ちゃんのおっぱい触りたかったのさ」
「困っちゃうよ」
といいながらも、服の上から両手で胸を撫で上げられるだけであっという間に乳首が固く尖ってしまう。待っていましたとばかりにそのまま服の上から口で吸われるとワンクッション置いた感覚についうっとりとしてしまう。交互に両の乳首を吸われてその部分だけ服が黒く濡れてしまった。これじゃぁ、何をされたか一目瞭然だ。思わず廻りを見回してしまう。

「いったいどこでおぼえるわけ? こういうの」
「たった今、考えたのさ」
そう思いたい気持ちとそんなわけないだろという面白くない感情が相克する。でも、「うそ」と言おうとした口をさっと塞がれて舌が絡み合うと、すぐにどうでもよくなって隆の背に手を廻してしまうのが少し悔しかった。

「いこうか」

2

Lontano profondo 6-2 『峠のむこう 15』

高原の平坦部にでたせいか道は緩やかにカーブして見通しが良くなった。隆の左手はさっきから捲り上げたスカートの奥とはだけた胸を往復している。なすがままにその手を受け入れて、左腕にしがみつきながら自分一人だけ感情が高ぶっていくのが無性に恥ずかしかった。声を殺しながらも、既に頭の半分は機能していないような状態で目には明るい景色だけが流れていた。

「マニキュアはどうしたの?」
遠くのほうで聞こえたような言葉を理解するのに時間がかかった。目を開くと少し現実が戻ってきた。もちろん身一つで出かけて来てしまったので化粧品はなにひとつないし、買い揃えるほどお金もない。見かねた隆の母が「娘がいなくてつまらないのよ」と言いながら合いそうなものを選んでくれた。そのまま「あなたにはぴったりよ」と高そうな未使用品を戴いてしまったのだ。
「だってこの前みたいにされたらつけられないじゃない。からだに良くないよ、絶対」

最初はスカートからちょっと顔を覗かせている膝小僧が可愛いといって頬擦りしていた。産毛に触れるか触れないかぐらいの感覚がくすぐったかった。うつ伏せにされて膝裏にキスされるとからだが震えた。思わず足が少し開いてしまうのに無視したようにそのままふくらはぎから足首に向けて下りていく。いきなり足の先が生暖かい感触に包まれた。一瞬何をされたのか理解できなかった。びっくりして思わず振り返って見ると口に含んだ足の指を舌先で転がすのだ。くすぐったいを通り越して思わず悲鳴が出てしまった。両足を交互に含まれて、そんなところを口に入れないでという感情と止めないでという感覚が頭を引き裂いた。思わず足で顎を蹴飛ばしたみたいで慌てて隆の顔に手で触れる。
「ごめん、大丈夫?」
なにも言わずに顔に触れた指が根元まで飲み込まれた。今度は両手の指を一本づつしゃぶられて、全身に痙攣が走ってしまう。もう自分で何をやっているのか、何をされているのか意識がぽっこり欠落してしまうのだ。

「やさしいんだな。またしたい?」
最初、隆の野放図さには戸惑った。人形のように翻弄されて、あまりの羞恥に気が遠くなりそうなことの連続だった。おかげであの日以来、一人で赤面しながらからだの隅々まで洗わずにはいられなくなって、すっかりお風呂に時間がかかるようになってしまった。
「うん」
消え入りそうな声がやっと出た。

(つづく)


戻る