「やっと会えたね」「三日くらい前だっけ、最初に会ったのは」
隆が私の胸に話しかけている。
「あのとき、なんかこんなことになる気はしていたんだ」
「あのときはそんなつもりはなかったんだって」「すっかり忘れてたんだから……」
「その後は……こう……なれたらいいなって思ったんだけど……」
自分で言っておいて顔に血が上るのがわかった。隆が軽く乳首に歯を立てると思わず背筋が伸びてしまう。左右を交互に口に含まれてまた気が遠くなりそうになるので隆の頭を無理やり腕で押さえつけた。
「もう、だめだってば」

下半身をぴったりと密着させたまま体重がかからないように肘でからだを支えている隆からぽたぽたと汗が滴り落ちる。
「汗まみれになっちゃったね」
手を伸ばして隆の胸に浮いた汗を拭う。
「う〜む、埃も凄いな」「白黒の斑模様だな」「二匹のゼブラ」
「タオルを取りに行って来ようか」「待っててよ、このまま」
「ついでに水でも浴びないとだめだな」

誰もいないから着なくても大丈夫だよといわれても、恥ずかしくて立ち上がることもできなかった。一人になるのは絶対嫌だったので、「あたしも一緒にいくから」とからだを起こした。隆に埃を払ってもらって取り敢えず服を身に着けようとした。転げまわったせいか床の上も凄い有様になっている。ようやく窓際にポツンと落ちている下着を見つけて、手を伸ばしたが隆に先に拾われてしまった。奪い取ろうとしたらさっと後に隠されてしまった。

「だめだってば」「返してよ」
「やだよ〜」
隆が左腕で抱き寄せながら私の下半身に手を伸ばす。
「ほら、ちゃんと拭いてからのほうがいいんじゃない?」
そういいながら指を埋められると自分でもはっきりわかるほど暖かい液体が流れ出した。顔に血が上って声がうわずった。
「だって、……」

**********************

「さ、いこう」
頭からセータをかぶせてもらってスカートを履かせてもらう。セータの両肩の部分を摘み上げて位置を調整するとぴったりとおさまった。一瞬、子供の頃お母さんに着せてもらったことを思い出して、嬉しいような恥ずかしいようなこそばゆい気持ちにとりつかれた。

隆が降りきったのを見て、梯子段を下り始めた。足に力が入らなくて何度も段を踏み外しそうになる。残り1mほどになったところで足が何かにぶつかった。え?なに?と振り返ると隆が下着を着けていない私のスカートの中に頭を入れようとしていた。そのまま彼の口が剥き出しの股間に後から吸いついた。「だめ」「落ちちゃうよ」と悲鳴を上げても隆の舌はますます奥に侵入してくる。足の力が抜けて逆に隆の顔にお尻を押しつけているような格好になってしまう。そのままの姿勢でゆっくりと引き降ろされて床に足がつくと、手で梯子を握ったまま思いっきり足を広げられた。スカートを捲り上げられて、見てくださいと言わんばかりの姿勢をとらされて、中腰になった隆に後ろからお尻を抱えられて腰が抜けそうになるまで舌を入れられた。すぐに湿った音が聞こえはじめて快感と羞恥に引き裂かれそうになる。最後に硬く尖ったものを深々と突き入れられて本当に膝から崩れ落ちてしまった。

ほんとうに腰が抜けてしまって立ちあがれないので思いっきり隆にしがみついてやる。「歩けないよ」と駄々をこねると、膝の裏と背中に腕が回された。一瞬間があってからだが宙に浮いた。よろけそうになるのを踏みとどまると、なんとか立ち上がったようだ。嬉しいやら恥ずかしいやら、いっそう隆の首筋にしがみついた。そのまま扉から外に出ると景色が一変した。真上から真夏の光が網膜に射し込んだ。腕に抱きかかえられて雲ひとつない真っ青な空の下を横切る。私はほとんど無心の至福を感じていた。

井戸の手押しポンプがギコギコと音をたてて動くとそれに合わせて蛇口から水があふれた。熱せられていたコンクリートのたたきがあっという間に冷える。たらいに汲み上げられた水が染みわたるように冷たかった。たらいにタオルを投げ込んだ隆が振り向いてサマーセータの裾を捲り上げる。もう抵抗はしなかった。あっという間にスカートもとりあげられて真昼だというのに庭で素裸にされてしまった。絞ったタオルがゆっくりと顔にあてられた。冷たい感触がゆっくりと汗と埃をぬぐってく。首、肩、腕、胸……と人形のようになすがままになって体を拭いてもらう。子供のように足を広げられたときは、さすがに羞恥に顔が引きつった。隆の指が太腿を押し開くと溢れ出た液体に太陽光が反射してきらきらと光った。隆が「汗じゃないよ」なんて言うものだから、もう恥ずかしくて泣きべそをかきそうになったのかもしれない。顔にかかっていた髪をかき分けて、隆の顔が覗きこむようにゆっくり近づいてきて唇を塞がれた。それだけで安心してなすがままにからだを開いてしまう。そんな自分が自分ですら信じられないくらい自然に思えた。

2

Lontano profondo 5-2 『峠のむこう 12』

私のからだを拭き終えた隆が目の前で頭から水をかぶっていた。最後に犬のように頭を振って水気を飛ばしているのを見て少し可笑しくなった。
「交代、交代。拭いてあげるよ」
頭から順にタオルを巡らした。お腹ぐらいまでは順調だったけれど、その先は恥ずかしくて顔が向けられなくなってしまった。そんな私を見て隆は可笑しそうににやにやしているのが癪に障ったので、そっぽを向きながら手を下していった。タオルで包み込んでしまえばこっちのもんだと思っていたら、タオルのなかでむくむくと大きくなって添えていた手のなかに飛び出してきてしまった。思わず顔が火照るのが自分でもはっきりとわかった。びっくりしてタオルを取落としてしまったので両手で隆のものを握るようなかたちになってしまった。救いを求めるように顔を見上げた。そうしているうちにも手の中でどんどん大きくなるのがはっきりわかった。
何か言わなきゃ、と頭は考えるけれどから回りするばかりで言葉が出てこない。
「えっと」「……」「ねぇ」「あのね」
もう、何を言っているんだか。隆はゆっくりと私の髪を撫でている。イメージをどう表現して良いかわからない。
「……ていい?」
消え入りそうな声が出た。「ん?」と隆が耳を近づけた。「なに?」
「あたしも……キスしていい?」
少し間があったのでもう隆の顔を見ていられなかった。
「おれがしたいことは耀子がされたいこと?」「だったら逆も同じでしょ」
「耀子がしたいようにすることがおれのされたいことだって」

目をつぶったままゆっくりと彼の足元に膝を落とす。隆の腰を引き寄せて彼のものを口に含むとはちきれそうに口の中で膨らんだ。先端に舌をあてたまま首を少しづつ動かした。自分の下半身がまた熱くなるのがわかって恥ずかしかった。しばらく頭を前後に振っていると隆が私の頭を押さえつけて動きを止める。
「もうだめだって」
そう言われて止めるつもりはなかった。「こらこら」と隆が言ったけれど、私の答えは首を振ることだった。隆の動きが少し大きくなった。引き抜こうとするので逃げられまいとした瞬間、喉に熱いものが飛び散った。どくどくとくりだされるものを一滴も逃したくなかった。そのまま隆のすべてを捉えて飲み干した。顔を見られるのが無性に恥ずかしかったから小さくなっていくものを口に頬張ったまま、そのまま顔を埋めていた。

「……耀子」

もう一度「耀子」と呼ばれて、ゆっくりと引き上げられて胸に抱きすくめられた。名前を呼ばれたことがなんだか嬉しくて少しだけ泣きそうになってしまった。

(つづく)


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